嫌われるのが、怖い。



アスファルトに転がる空き缶を拾った。


救いたくなってしまうのは私に似てるから。
いつだってそうだ。
あの日あの場所であの人を助けたのも、
泣きたくても泣き出せない私に似てると思ったから。

誰も私の孤独に気付かない。
あの人がくれた最後の言葉は私しか知らない。
明日が最後だよと笑って、でも
それでも私はその日、そこにいるあなたを確かに見ていた。

夢だったんだと思う。
だから昨日までのことは忘れる。
過去の私はこうして大きく息を吸う今の私とは違う。

愛してほしいと嘆いたあの頃のことも
忘れてしまえばいい。


もういないの。
この世界中、どこを探したって、あなたは。