「君と会うのは一年ぶりかな銅くん」

「そのくらい経ちますかね」

「どうだ、形だけの班長として未だに残っている惨めな気分は」

「久しぶりに会ってその話ですか」

電柱に接触して大破した車のそばに立ち上の空の2人を見つめ不敵な笑みを浮かばせる新宮。

「あぁすまない、君の部下に聞かれるとまずいかな」

「相変わらずの腹黒さですねぇ、新宮さん」

「しかしまぁ2人も部下を抱え込んで、同じ過ちを繰り返さないか心配だよ」

「…………」

銅の表情を伺いながら嬉しそうに続ける。

「今回も蓮見さんに出動を命じられたんだろうが我々掃討隊員は皆、とうの昔に君を隊から除外している、あまり調子に乗らないようにね…」

「もういいでしょこの話は」

「最底辺が最高とは、苦労が重なって気でも狂ったか」

2人のぶつかる視線は火花が散りそうなほど静かに加熱していく。

「まぁまぁまぁまぁ、新宮さんも先輩もそこまでにしましょうよ」

間に割って入る弥月を見下ろす新宮は鼻にくる刺激臭に思わず手で覆う。

「おい君はホントに女性か?吐瀉物の臭いがするな、身だしなみどうこうのレベルではない」

「あぁ、さっきちょっとだけアレしちゃいまして…」