「ダブルス大会、ついに始まったね…。」
「うぅ勝ちたいな〜」
「勝と!」
「うん!勝ちたいじゃなくて勝つ!」
2人で顔を見合わせて笑う。
「コールします…。」
「うわーついに呼ばれたよ〜」
「ううやっぱ緊張するー!」
「よーし勝つで!」
「うん!」
握手を交わして1本の体勢に入る。サーブは相手。パーン、パーンと音が鳴り響く。おっしゃ勝ってやる!
「ラブオールプレイ!」
お願いします!ふっと周りの音が小さくなる。
「頑張れ〜」「茉夏ファイト!」「茉莉〜!」
応援の声だけが耳に入る。
サーブ、ヘアピン。カナ先輩に教えて貰った回転を使ってみる。器用に面を使って回転。相手の体勢を崩した。おし!いける!高く上げてくる。
「茉莉!」
「まかせて〜」
スパーン!綺麗な音がなる。
「ワンラブ」
やった、先制点!パチっと茉莉と手を合わせる。
「おし、頑張るよ!」

「フォーティーンイレブン」
「茉夏、茉莉〜!」
「いい調子いい調子!」
サーブ、ロビング、スマッシュ、ヘアピン、ヘアピン、ロビング、ドロップ。
「フィフティーンイレブン」

「ナインティーンフィフティーン」
あと少し。焦っちゃだめ。ふーっと息を吐く。勝つ、勝つんだ!
サーブ、ヘアピン、ロビング、スマッシュ、ヘアピン、はね上げ、プッシュ!
「トゥエンティマッチポイントフィフティーン」
「よし勝つよ!」
「うん!」
サーブ、ヘアピン、ヘアピン、ヘアピン、はね上げ、ドロップ、ヘアピン、ヘアピン、ちょん打ち。
「トゥエンティワンフィフティーンゲームセット!」
弓場高校のとこから盛り上がりをかんじる
「ありがとうございました。」
そう握手する手になぜか力がはいらなかった。そのことより茉莉と一緒に勝てたことが、やっぱり嬉しかった。