分裂の原因が分かった。愛莉ちゃんのことだった。「自分はバドミントン出来ますよ」オーラがすごくて、それが嫌な派、別に何とも思ってない派でわかれてる。なんか微妙な、そんな雰囲気がやだ。愛莉ちゃんよりも。

私は思い切って愛莉ちゃんに連絡をとってみる。最近部活もやすみがちなんだ。
「大丈夫?」
ぴぴぴ、と打ち込む。
「部活のこと?」
速攻連絡があってびっくりする。
「うん、そう。」
「あ、大丈夫、だよ」
「ほんとに?」
「うん。」
「私は愛莉ちゃんの味方やけね。なんかあったら連絡してね」
ふと連絡が途切れる。既読がついたのに。しばらくして返信が来る。
「ねえ、茉夏ちゃん、電話してもいーい?」
「もちろん、いーよ」
その何十秒か後に着信音がなる。
「もしもし、茉夏ちゃん?」
「うん!愛莉ちゃんよね!」
「うん。」
「あたしのはなし、きいてくれる?」
「うん!」

それから私は愛莉ちゃんの中学生の頃の話を聞いた。中1のとき、バドミントン部に入って中2くらいのときから「ぶりっ子」だっていじめられだして、そこで実は愛莉ちゃんは部活をやめてしまったそう。それで中3。ようやくいじめはなくなったものの、性格は病んでしまって、ネガティブ思考になっちゃったそう。それで、いつも足元みて歩いてたら、私立に行った友達と偶然あって、
「私の親友なんだからもっと堂々としててよ!!」
って喝を入れられて、高校では後悔しない。堂々としよう。そう決めた矢先の事だったから…
「もうすごい失望しちゃってさ。」
あはは、と乾いた笑いが聞こえる。
「そっか。それはキツいね…」
「うん…ほんとに、あいりはもうダメかもって思ってた。」
「大丈夫よ。ダメじゃないよ!」
「ありがとう。来週から部活。ちゃんと行くね。」
「わかった!待ってるから。」
愛莉ちゃんの声がほんの少し、明るくなった気がした。