「どうぞご覧下さ〜い」


やっと、いつも通りの1日が始まった。


時々、お客様の私の頬への視線が気になって、ピリピリと痛んだ。

それでもなるべく気にしないように、仕事のことだけを考えて集中できるように。


おかげで乾先輩にも褒められた。


でもそれは……あの人が来るまでのこと。




「お忙しいところ申し訳ございません、栗田(クリタ)千愛さん。
もう一度お話を聞かせてください」




お昼休憩を目前にした頃、相田刑事が顔を出した。


仕事スイッチが入っている今でも、営業スマイルを継続させ対応することは出来なかった。