傷口はまだジクジクと柔らかく、上からメイクでカバーするのは流石に厳しいようだった。

目立ちにくい……それでもやはり不格好だが、そんな絆創膏を勤務先と同じビルの中のドラッグストアで、出勤前に買った。



「どうしたの、その顔」

開店5分前、洋服の乱れ等を直していると、上司の乾さんが声をかけてきた。


「ちょっと、色々ありまして」

変な男について行ったら襲われかけました、なんて恥ずかしくて言えない。

ご飯を奢ってくれたり、かなり良くしてくれる先輩ではあるが、なかなか踏み込んだ話までできる関係ではない気がした。