コールド王国は、噂の通り王であるゼルダが先陣を切って戦に挑んでいた。
双国は山越えの途中でかち合いそこで戦になったという。

基本的に戦は草原など広いところでこれまでは行っていた。
その為、普段とは戦う場も違い苦戦したという。

そこで、大将同士がぶつかり合い、かち合っている騎士たちの群れと離れた場所で一戦を交えようとしていたところまでは確認したらしい。


「護衛につこうと思っていたのですが、敵の騎士に阻まれ、身動きが取れず…。いいわけですが、申し訳ありません」

「いえ。大変な状況であることはわかりますから」

「しばらくして、ゼルダが撤退を叫び、あっという間に敵軍は退きました。俺はアルさまがゼルダと戦っていたであろう場所へ、他のものにコールド軍を追わせました」

「追いつかなかったと?」

「はい。撤退方法は事前に打ち合わせていたのでしょう。散り散りに逃げ、ゼルダ自身も逃げ足が速く捕まえられなかったと。末端の騎士は捕まえたのですが、ただの一般兵でなにも詳細は知らないとのことでした」

「そしてアルさまの行方が分からなくなったという事ですか…」


駆けつけたクリスさんが言った場所にアルさまの姿はなく、その先にあったのは崖であったと。