「ここであれこれ言ってても意味がない。行こう」

「あ、はい」


コハクくんにそう言われ、ハッとして我に返る。
そうだ。
ちゃんとこの目で確かめた方がいい。
きっと、ただの噂だ。

きっと、今までのように金色の髪を靡かせて、騎士団を引き連れ戻ってきてくださる。


「え……」


しかし、現実はそう甘くはなかった。


「どういう事ですか!アルさまの行方が分からないなんて!」


城門のところまで降りたところで、キースさんの叫び声が聞こえてきた。
え…、と足を止めた。
今、なんて。

アルさまの、行方が…?


「あ、リズさま……」


キースさんが私に気づき気まずげに顔を反らした。
身体が震える、いや、どういうことなの。

私は帰ってきている騎士団の列を見る。
その中に、金色はなかった。