「え…」

「相応しくなど考えなくてもいい。俺は、その様なためにリズを王妃に向かえたのではないと何度も言っているだろう」

「ですが、いくらアルさまがそうおっしゃってくれても、私は王妃としてアルさまのお側にいるのです」



いくらアルさまが許してくれたとしても、周りの人は許さないだろう。
王族としての品位を求める人は確かにいるのだ。

そこで責められるのは私ではなくそんな私を王妃に選んだアルさまなのだ。


「そんな顔しないでください。アルさま。私は諦めてはいません。絶望してもおりません。だって、私はまだアルさまの側にいられるのですから」

「リズ…」


アルさまの腕が私の背中に回り、強く抱きしめてくれる。
アルさまの温もりに心が温かくなり、ホッとする。
安心するのだ。


「リズ、愛している。お前を護れなかった自分が本当に憎らしい」

「アルさま、私もアルさまを愛しております。アルさまはいつだって私を護ってくださっています」

「リズの優しさに、俺は甘えてはいけない。もうこれ以上、お前を傷つけたくない。何者にも、どんなことからも、お前を護り抜きたいのだ」


その気持ちが嬉しい。
私を想ってくれるその想いが。
私を強くしてくれるの。

負けたくない。
前に進むことを諦めたくはない。

私はそうすることでしか、アルさまの側にはいられない。