「医師から聞いた。足の事…」

「アルさま…」


アルさまが、毒の影響の事を知り私の事を尋ねてくださったのはその日の夜の事だった。
とても疲れ切った顔をしていて、酷くやつれているようにも思えた。

胸が痛い。
私のせいだと思うと、余計に。
でも、アルさまは私のせいじゃないと仰るだろう。
むしろ自分を責めているのはわかる。
私だって、言いたいのに。
アルさまのせいではないと。

でも、アルさまは受け入れてはくれないだろう。
いくら私がアルさまのせいではないと訴えたとしても、アルさまは自分を責めてしまう。
そういうお方だ。


「少し、麻痺が残る程度です」

「程度…。そんな安易ではないだろう」

「リハビリ、頑張りますから。少しでも、普通に歩けるようになるように努力いたします。王妃として相応しくあるためにも」

「なにを言っている」


アルさまの声が厳しく響いた。