「毒の影響でしょうな」
お医者様に足の事を伝えると、そう言われた。
とても強い毒のようで、どこかに後遺症は残るだろうと言われていたらしい。
でも、これまでそういったものは明らかになっていなかったため私には告げられていなかったようだった。
「左足に多少の麻痺が残っているようだね」
「あの・・・、歩けるようにはなるんでしょうか」
「ああ。そうだね。歩けはするだろう。ただ、歩行がゆっくりになったり足を引きずるような形になるのは覚悟しておいた方がいいね」
足を引きずる・・・。
きっと、今までのここに車での生活ならそれでもかまわなかった。
日常生活は問題なく過ごせるのだろうし、多少の不便は気にならないだろう。
でも今は?
今、私は王妃という立場にある。
美しい所作が求められるその立場で、足を引きずるというのはどうなのだろう。