「リズさまならうまく誘導してくださると思っていました」

「え…?」

「アルさまからのプレゼントの事ですよ」



キースさんが少しホッとしたように話し出す。
アルさまから聞いたんだろう。



「知っていたんですか?」

「ええ。庭師の手配をしたのは私なので」

「え…、それなら、キースさんの方からアルさまにうまくいってくだされば…」



キースさんなら私がそんな大規模なものを頂いたら困ってしまうことくらいわかりそうなもの。
前もってアルさまに訂正してくださっていれば…。



「それでは意味がないので」

「意味…?」

「アルさまは、人の想いは“金”だと思っている節があります。それは、アルさまが周りからそのように扱われてきたゆえの事なのですが…」


アルさま自身が…。



「ですが、アルさまに知ってほしいのです。お金で買えるものばかりではないと。リズさまのお言葉なら、きっとアルさまに響きますから」