きっとアルさまは私を想ってこの贈り物を考えてくださったのだろう。
そのことは、伝わってくる。

不器用なアルさまなりの懸命な想い。



「何が不満だ?」

「不満なんて…!あの、…この一角をいただけませんか?このスペースを私の手で大事に使わせていただきたいです。庭師の方も必要ありません。私一人で育てたいんです」

「そんな小さなスペースでいいのか?」

「はい。十分嬉しいです」



目立たない一角。
私はそこを指定した。
花が好きな私に選んでくれたこの贈り物自体はとても嬉しいのだ。

花を育てられる。
自分の好きなことに触れられる幸せ。



「なにを植えるか、どんな花を咲かせようかと…今からとても楽しみです。今さいているこの花たちのお世話もとても楽しみです」

「…そうか。気に入らなかったのかと思ったが」

「そんなわけありません。アルさまは私の事を良く見てくださっているのがわかってとても幸せです」