「調子に乗らないでよね!!」




そんな怒鳴り声で目が覚めた。



スマホを見たら昼過ぎ。周りを見るが誰もいねぇ。昼飯買いに行ってんのか?


にしてもさっきの怒鳴り声誰だよ?


俺は辺りを見回す。



一段低いところには女たちが立っていた。



1人を5、6人で囲んでいる。



囲まれてる奴をみた。



「あいつは確か、、、、」





そうだ。この学校1の美少女と言われている
鈴原 璃亜。通称 "高嶺の花"

誰も寄せ付けない凛としたオーラに
ピンと伸びた背筋。
白い肌に大きく真っ黒な二重の瞳。
まつ毛は長く、ぷっくりとした赤い唇。
綺麗な黒いロングの髪の毛。
容姿端麗とはまさにこいつにピッタリな
言葉だと俺は思った。



「なんで高嶺の花がこんな所に??」




俺はもう少し観察してみる事にした。



「あの、私あなたたちに何かしました?」


へぇ〜。結構おもしれーやつじゃん。
大人数に囲まれてもそんな口きけんだな。


おー。割と気ぃつぇーなあいつ。
ちゃんと言い返してる。笑


俺は呑気にそんな事言いながら黙って
見てた。



そして1人の女が手を振り上げた。



俺は考える間もなくあいつの前に飛び出してたんだ。





そして、振り上げた女の手を掴む。


あいつは避けようともせず目をつぶってた。

なに考えてんだ?普通避けるだろ?


そんな事はおかまいなしにあいつは


「、、、、、え?」


なんて間抜けな声出してやがる。


まーいい。俺はこいつを囲んでるやつらを
睨みつけて不機嫌さMAXで言ってやった。



「ねぇ、いい加減うるさいんだけど。
人が寝てんの邪魔してんじゃねぇよ。」




それでもピーピーわめいてる女共。


うぜぇな。



「うるせぇ。失せろ。」




俺は無意識にこいつを守ってた。





そしていきなりこいつは笑ったんだ。




不意にもドキってした。


見たことねぇよーな笑顔だった。

屈託のない無垢な笑顔。

正直に可愛い。そう思った。




照れ隠しみてぇに俺は言った

「おめーなに笑ってんだよ。」って。


そしたらあいつはやば!って顔をした。

こいつわかりやす。笑


そして急にありがとうって言ったこいつ。


「おめーいじめられてんの?」

「いつもこんなんなのか?」

さっきの事を思い返しながら俺はこいつに聞いた。



あいつは気まずそうに下を向いた。

そして、


冷たく言った。



「そう。いつものことよ。」



妙に "いつも" が強調された気がした。


俺の気のせいか??


なんでお前はいまそんなに苦しそうな顔をしてるんだ?なにがお前にそんな顔させてんだ??俺はなんでこいつを気にしてんだ?




俺の中で何かがグルグル渦巻いていた。





ーーーーーーーーガチャ。







そして屋上の扉の開く音がした。









【拓磨side】end