「…−ハルマ遅いよ。」


家に帰ると少し不機嫌なわがまま姫が俺を待っていた。


「わりぃ。馬鹿のAV紹介に付き合ってた。」

俺は袋をチハルの目の前に置く。
するとチハルはそれにがっつくように袋の中を探り始めた。


「ダイゴロウ?」

チハルはクスクス笑いながらその名前を言うと、ヤキソバを俺に渡す。

「そう。ダイゴロウ」

俺はヤキソバを受け取ると、手際よく電子レンジに放り込んだ。


「好きだよね〜…ダイゴロウ。」

「だな。あんまりモテねぇから。」

「だってアノ顔で"ダイゴロウ"だもん。濃ゆすぎ。」


チハルはケタケタと馬鹿笑いをする。
ダイの顔を頭に浮かべると、俺も頬が緩んだ。