「…身体に…近づけないんだ…」 素直に言ったら、驚かれてしまった。 「一葉、お前なんかしたのか?」 義一が初めて焦りをみせた。 「なんか?」 俺は考えた。 「お前が刺されてから意識を失うまで、なにかあったのか?」 あの僅かな間? 「…霊魂が…戻るのを拒んでいるんだ…」 義一が、言いにくそうに俺に伝えてくれた。