ドアプレートをcloseにして店内に戻ってきた俺を待っていたのは、酔い潰れた桃達と、いつものイエローとブルーの嫌味だった。
《一葉。連日連夜大変だな》
〈全くよ〉
「まぁまぁ。みんな気にかけて来てくれてるから」
洗い物を片付け始めた静流が、グラスに映る2人を窘めた。
「じゃなくてー‼︎ 良い加減にしろよ、お前は」
俺は優しい言葉をかける事がどうしても苦手だ。
静流の腕を掴んで、強引に座らせる。
そして、カウンターにレモン水を置いた。
《一葉は不器用過ぎるな》
〈心配だから休んで欲しいって、なんで言えないの?〉
「うっせ‼︎」
思わず怒鳴ってしまった。