わたしの恋はあの時で、
始まることも終わることも出来ないまま、
ずっとずっと、止まったままだった。
長い長い刻が過ぎ、
両手で数えるほど恋を重ねて、
頭の中からすっぽり抜け落ちて、忘れて、消えたと思っていたのに。
ただ、止まっていただけだと気付かされた。
君に。
それは、5年後の君。
15歳だったあの時から5年の時が過ぎ、
昔の面影なんて、目を凝らさなければ見えないほど見違えた君と、偶然再会して…
「久しぶり」
たった一言。
そのたった一言は、
わたしの心を一気に満たした。
あの時の恋は、
ただ15歳で止まっていただけで、
ちゃんと
ちゃんと
わたしの胸の中に、あったんだ。
「ひさしぶり」
君の胸の中にも。