数時間後、時間よりも長く感じた入学式が終わり、家に帰る時間となった。私は今日最後にまた桜が見たくなり、朝と同じ場所へ向かった。
「やあ」
彼がいた。まるで彼は私が来ると知っていたかのように、こっちを見ていた。
「桜波君…………。どうしてここに?」
「話しておきたいことがあってさ」
そう言うと彼は、桜の方を向いた。私は桜の木と彼に近づいてちょうど顔の高さにある枝に触れた。
「何?」
「俺は一週間この桜の前にはこない。でも、その間に考えていてほしいんだ」
彼は色白で桜色の彼の手で私の手をとった。不健康ととれるほどの美しい桜色の手は暖かかった。
「君に一目惚れしました。好きです。一週間後の朝、この木の前で待ってます」
彼は恥ずかしいのか少し早口になりながら一方的に告げると、じゃあ、と言うように右手を挙げて笑顔で去っていった。
そのとき私は…………
人生初の出来事に
硬直してしまっていた。
大好きな桜の木の前で、その日会ったばかりの男子に告白をされる。少しは夢を見ていいのか?彼の言葉を信じて夢を見てもいいのか?私の頭の中にはそんな疑問がぐるぐるとまわっていた。
…………一週間か。考えることは多そうだ。
「やあ」
彼がいた。まるで彼は私が来ると知っていたかのように、こっちを見ていた。
「桜波君…………。どうしてここに?」
「話しておきたいことがあってさ」
そう言うと彼は、桜の方を向いた。私は桜の木と彼に近づいてちょうど顔の高さにある枝に触れた。
「何?」
「俺は一週間この桜の前にはこない。でも、その間に考えていてほしいんだ」
彼は色白で桜色の彼の手で私の手をとった。不健康ととれるほどの美しい桜色の手は暖かかった。
「君に一目惚れしました。好きです。一週間後の朝、この木の前で待ってます」
彼は恥ずかしいのか少し早口になりながら一方的に告げると、じゃあ、と言うように右手を挙げて笑顔で去っていった。
そのとき私は…………
人生初の出来事に
硬直してしまっていた。
大好きな桜の木の前で、その日会ったばかりの男子に告白をされる。少しは夢を見ていいのか?彼の言葉を信じて夢を見てもいいのか?私の頭の中にはそんな疑問がぐるぐるとまわっていた。
…………一週間か。考えることは多そうだ。