中学の入学式です。本日、四月七日は珍しく桜が満開で入学式日和です。
小学生時代、地味で暗くて本ばかりを読み、周りの人と必要以上に話さなかった私。生まれ変わります。長かった前髪を切り、下ろしていた髪を適度な高さに結び、眼鏡をコンタクトに変え、誰一人として知っている人のいない私立中学校に入学します。
学校の目の前に小さな公園が有り、そこにある大きな桜の木の前で記念撮影をしている家族がたくさんいる。
私はというと…………一人。仕方がない。私が無理を言って私立に通わせてもらうんだから、仕事の休みがとれないのは私のせいだから仕方ない。
以前、学校に来たとき、学校の裏の目立たない場所でそこまで大きくない桜の木を見つけた。あまり人がいないと思い、その木のところに行った。
「綺麗だよな」
しばらく桜を見つめていると後ろの方から男の人に声をかけられた。
「えっ…………?」
彼のかけた眼鏡の奥の瞳は確実に私の方を向いていました。優しい瞳のまま彼は私に尋ねた。
「君、名前は何て言うの?」
「…………っ!烏早 春歌です」
「俺は桜波 一光」
彼の制服の胸元には『入学おめでとうございます』とかかれた私と同じ花の飾りがあった。それは正門で並んでいた先輩方が配っていたものだった。
小学生時代、地味で暗くて本ばかりを読み、周りの人と必要以上に話さなかった私。生まれ変わります。長かった前髪を切り、下ろしていた髪を適度な高さに結び、眼鏡をコンタクトに変え、誰一人として知っている人のいない私立中学校に入学します。
学校の目の前に小さな公園が有り、そこにある大きな桜の木の前で記念撮影をしている家族がたくさんいる。
私はというと…………一人。仕方がない。私が無理を言って私立に通わせてもらうんだから、仕事の休みがとれないのは私のせいだから仕方ない。
以前、学校に来たとき、学校の裏の目立たない場所でそこまで大きくない桜の木を見つけた。あまり人がいないと思い、その木のところに行った。
「綺麗だよな」
しばらく桜を見つめていると後ろの方から男の人に声をかけられた。
「えっ…………?」
彼のかけた眼鏡の奥の瞳は確実に私の方を向いていました。優しい瞳のまま彼は私に尋ねた。
「君、名前は何て言うの?」
「…………っ!烏早 春歌です」
「俺は桜波 一光」
彼の制服の胸元には『入学おめでとうございます』とかかれた私と同じ花の飾りがあった。それは正門で並んでいた先輩方が配っていたものだった。