そのままドアノブを回し、自分の方へと引く。



ドアは開いた。正確には、その瞬間にドアの向こう側から加わった強い力によってドアが開き、わたしは後ろへと突き飛ばされた。



「痛っ!」



「あっ、大丈夫ですかっ?」



ドアの向こうから出てきた男、恐らくわたしをドア越しに突き飛ばした張本人。



その人は、わたしの元へと慌てた様子で駆け寄ってきて、わたしの体を揺らした。



「お姉さん、大丈夫ですか?」



それまで突き飛ばされた衝撃で、その男のシルエットしか見てなかった。



顔をあげてその男の顔を見る。よくよく見たら、その男は世で言うところの、イケメンの部類に入る男なのかもしれない。



180センチを超えているであろう長身に、スラーっとした細い体。



金髪までとはいかないが、ちょうど良いくらいの茶髪。



吸い込まれそうになる子犬のような大きい目に、高くて綺麗な鼻。



まるで彫刻のようなそのハッキリとしていて、日本人離れした綺麗な顔立ちに、私はただただ驚くばかり。



とにかくわたしの人生史上一番のイケメンが、今、自分の目の前にいる。