……



二度目の朝は、どちらよりかと言えば昼に
変わる直前だった。


私はもう一度眠りに入る前に目覚ましを
セットし忘れ、見事に寝坊してしまった。


「わ、わああ~~~っ」


急いで階段を駆け降りれば、大雑把に
身支度を済まし、昼食を抜いて外を出た。


サ───ッ


朝よりは止んできた雨だが、それでも
やっぱり傘は必要だった。


……雨の中バシャバシャ水ばかりの
地面を駆け走るのは嫌だな。


もう遅刻は確定なのだし、歩いて行こうと
決めれば、ふとお兄の手紙を思い出し、
表情が苦々しくなった。


高校入って初めての寝坊…。


今日は朝からツイてないなとため息を
こぼせば、ふと前に青い傘を見つけた。


傘が体を覆い、誰だかは分からないけど、
同じ制服だから、きっと彼も遅刻なのだろう。


「……」


あ、なんか同類を見つけた
みたいですごい仲間意識が…。


なんてことを考えていると、前の彼が立ち止まる
ものだから、つられて私も止まってしまった。





どうしたんだろう?


そう思い、ずっと立ち止まるものだから、もう追い抜いてしまおうと、先に歩き出せば、彼も同じタイミングで動いた。


が、


それは足ではなく腕を大きく伸ばしたものなので、なんだなんだと気になり再び追い越せず立ち止まってしまう。


すれば彼は横にある木を傘で
覆い始めるではないか。


え、何してるん……、
そしたら君が濡れるやん、、。