それから、一人、また一人別々の経路へ進み別れれば、最後は理沙と私だけとなった。


友達と家が近いと、帰りも長く一緒に
いられるから、とても安心する。


私はそう思い、隣にいる理沙に微笑めば「何?ニヤニヤして」と嫌々そうに言われてしまった。


…そういえば、会計を済ませた時には
伊月先輩も、佐藤先輩も居なかったな。


先に……帰っちゃったんだ。


そんな事を考えているうちに、
もう理沙の家に着いてしまった。


「じゃあまた明日ね」


理沙は私にそう言って手を振れば、
踵を返した。


「うん、また…」


そう言って彼女が家に入れば、私は急に暗闇の中ポツンと一人になって、上を見上げた。


「わあ」