「歓迎会?私の?」


「そう、大丈夫なら今日の部活後にでも」


6限目が終わり、掃除の時間、
理沙は私の教室に訪れそう応えた。


急な話に少し頭を悩ませていると、
理沙は困った表情を見せる。


「嫌…かな?」


まさか、と言いたいところだが、理沙は私が交流の場が苦手な事を知っていた…と言うより、履き違えていた。


中学の頃、体育祭後の打ち上げなどは
ほとんど欠席していたから…。


まあ、その頃は本当に楽しめる気がしなかったし、そうしようとも思わなかった時点でああ、いいかななんて投げやりにしていただけで。


でも…、


「ううん、すごく楽しみ」


今回はまったく違うとはっきり思えた。


その言葉に一語一句間違えなどはなく、
浮かれそうなほどに嬉しかった。


それに、どこか私は期待しているんだ。


もっと自分の事を知ってほしいだなんて短期間ながらおこがましいけど、それでも、私も部員との信頼関係が欲しいと思ってる。


そしたら…もっと伊月先輩の事とか、
理沙の事も…分かるかもしれないし。


なんで、ハッとすれば、なんだ…結局本音はそっちか。と自分に呆れ、その姿に理沙が不思議そうに私を呼ぶものだから、


「何でもないよ」、と応えた。


……。


もっと素直な気持ちで喜べなかった
ものだろうか。


なんだか裏を返した気持ちに罪悪感を抱き
ながら、理沙は掃除場所に戻っていった。