……



ギィィィ───…


昨日も来たというのに、この床の軋む音に不気味な雰囲気は、いつ見ても慣れそうにないと思った。


伊月先輩も、どうしてこんな所にいたのだろう、
なんて思い出せば、考えても不思議なだけだった。


資料室の次は先輩探しか。


「ふふっ」


なんだか可笑しくなった。


1週間前の自分だったら、部活も手伝わなかったし、ずっと中庭で1人お昼を済ませていたのかもしれない。


この先身に起きる事は、少しの間でも何かに出会ったり、始めたりする事で激変するのだと思った。


それこそ、理沙の言った通りに
なっていた。


「変なの」


なんて唐突に思えば、いつの間にか
もう端から端まで進み終わっていた。


「あ、あれ?」


絶対この場所だと思ったのに……。


〝それ、さっちんに頼まれたやつでしょ?
だからここだと思った〟


昨日の伊月先輩の言葉からするに、この場所を
熟知しているような言いぐさだった。


だからここは彼のサボるための穴場なのかもしれないと、そう踏んだのに…見事に外れてしまった。


ここにもいなければもう本当に
思い当たるところなんて……、


と、頭を悩ませていれば、ふと別れ際、
伊月先輩が見ていた窓からの校舎に目を向けた。


「…」