自分よりもひと回り大きい男子に囲まれただけで、もう既に少し怖いと思ってしまった。


引き腰なる重心を抑え、
私は理沙の後ろから出てきた。


それを見るなり部員は驚いた様に
私を下から上までねぶるように見渡した。


「…」


それを不快に思った私は、
再び理沙の後ろに隠れてしまう。


「こらこら、皆さん伊織が怖がってる
じゃないですか」


理沙はかかさず注意してくれたが、
その言葉に部員はハッとして、


「ああ、ごめん!
竹内の友人がどんな子か気になって」


「そしたらまあ、猫娘だったからさ」

“猫娘”という言葉に私はムッとして、先程とは
打って変わり、好戦的な目で相手を睨んだ。


「お前謝れよ」


「す、すいません」


もうなんだか一線を引かれた様で、
この場から逃げたくなった。


そんなに変な異名を持った私は
嫌なのだと思い込んでしう。


露骨に落ち込む姿の私に、
理沙は呆れたようにため息を吐いた。