なんて、状況が呑み込めず故に彼の情報が知りたくてつい、マイナス思考になってしまう。


そんなビクビクに怯えてしまった
私に、先輩は口を開いた。


「勧誘だよー？チラシないけど〜」


「へ？」


その言葉に、私を含め周囲が
ポカンとしてしまった。


勧誘……、


「こんな形の勧誘も…」


「ないけど」


「…」


ますますこの先輩がどんな人なのか分からなくて、いきなりの勧誘に戸惑う私とは裏腹に、彼は相変わらずニコニコと楽しそうで。


その姿にとうとう何を応えればいいか、何を応えれば正解か不透明なまま拱いていれば助け舟が来た。


「あ、佐藤（さとう）先輩！」


「理沙！」


理沙は私を見るよりも先に、先輩を見てそう
応えれば、私の方へやって来てくれた。


「ね、ねえ、理沙どうしよう」


知り合いなら話が早いと、私は理沙の
袖をクイクイと引っ張りながら問う。


その行為に理沙は察したのか、私に「説明するから待って」とだけ言われると、再び目線は先輩の方に向けられてしまった。