え?


えっ?


なに??


今まさに思い込み違いをしてしまった先輩が、
謎の異名で、私の目の前に立っていた。


当然周りもびっくりで。


「雨寺さん知り合い!?」


「くっ、ついにこの時が……。
俺らの天使が先輩に洗脳されてく…ッ」


「まだ何もされてないでしょうが」


騒めくクラスメイトの声を無視する程に、
今は私が一番この状況が理解できなかった。


と、いうか……、


「猫娘って、私……?」


「そうだよ」


一体いくつ異名があるんだ。


そんな事を思いながら、必死に
今の状況の把握に頭を使う。


とりあえず、


「…何の用ですか?」


なんて、後輩ながら少し無愛想に
問いてしまった。


しかもみんなの前なのに…、
生意気だと思われたかな?


そう思えば、私は恐る恐る
周囲を見渡した。


「っ」


しかし、私と目を合わせようとしたくないのか、顔が合うたび、逸らされては他者との会話を続けてしまう。


…でも、私が逸せばこちらの様子を
伺うように見てくるし……。


関わりたくないけど気になる、
みたいな?


え、というとこの先輩は一見飄々と
しているけど本当は怖い人とか?


え、私、目つけられたの!?