いつも通りの廊下から聞こえる声と、
クラス内の話し声。


静かとも言えないが、穏やかでばらばらと
した一体が音に変わり耳に響く。


時折、廊下を走る男子たちは何とも
エネルギッシュだと思う。


だから今日も、そんな音が聞こえてくると
思っていたのに、、


ザワザワ……、


何やら今日は4限から廊下の方が
騒がしく、歓喜的な声が飛び交った。


「ねえあれってバスケ部のさあ…」


「一年生の階に何の用だろう?」


「あ、先輩ちわっス!」


だから当然、それは私の方にも伝わる
わけで。


“バスケ部”という言葉を耳にすれば、
1人お弁当を机に広げる私は内心
穏やかではなかった。


バスケ部、先輩……もしかして…!


なんて、勝手に伊月先輩が近くにいると
思った私は、教室から廊下を覗き見た。



「!」


……あれ?


確かに伊月先輩のような高身長で、
顔も整っているけど……、


なんだ、違う人だ。


「…」


それが分かり、勝手にガッカリすれば、
目線をおかずに戻した。


そして、一口唐揚げを頬張ろうと
した時……、




「あ、やっほー猫娘チャン」


「!?」