……
教室に着くなり、私はげっそりとした
顔をして席に座る。
大変だった…。
…それも数十分前、正門には先輩方が
なにやらチラシを配っていた。
言うなれば部活勧誘のようなもので、
5月に入った今でもそれは続いていた。
どうやら私の高校は設備の充実がよく、
広い故に部活動も多いようで。
先輩からして見れば部員を増やす一大期間であり、私達1年生からしてみれば彼らは獲物を捕らえる狩り人のようだった。
今日もたくさんチラシを貰うだけ貰って、
荷物が増えてしまった。
私以外にも、チラシを何枚も持っている人は他にもいて、ああ、お互いお疲れ様です。なんて心の中で呟いた。
でも…この量は……。
どうも自分は引き腰になってしまい、
あれよあれよと人一倍紙が重なれば
勧誘に捕まってしまっていた。
はあ、と一つため息をこぼすと、何気なく
一枚一枚ポスターを眺め見た。