……



カレーを綺麗に平らげれば、私はコップに
口を付け、水で喉を潤した。


「ふー」


一息ついた所で、私は手を合わせる。


「ごちそうさまでした」


「美味しかった?」


「うんっ」


お兄の問いに私はニコリと返事をすれば、
お兄も嬉しそうに笑ってくれた。


「学校、どうだった?」


食後の後、お兄は食器をかたしながら
唐突に聞いてきた。


その姿はまるで、本当にお母さん
見たいで。


「ぼちぼち。…そういえば佐々木さんが
近々顔出すって言ってたよ」


そう言えば、お兄はピクリと一瞬
眉を細め、応えた。


「……ああ、そう」


一瞬、ほんの一瞬、それを聞いた時の
お兄は少しだけ顔が曇っていた。


「面倒くさい奴」


なんて、愛想悪く言っているが、2人は仲良しで、
福岡にいた頃は同じ生徒会でもあった。


もしかして、照れ隠しというやつ
なのだろうか?


なんて思えば、お兄は応える。