……



「「お疲れした────!」」


本日の合同練習は無事終わり、
最後に他校の2人に謝罪された。


その時は後ろに佐藤先輩という頼もしいセコムがいたせいか、とても恐ろしげな表情をしながらすぐさま退散していた。


初めの嫌味たらしい態度とは打って変わるもの
だから、私もスカッとしたりして…。


「怖い思いしなかった?」


そんな事を考えていると、佐藤先輩は心配そうに
私に問いた。


「いえ、今はもう全然……、
先輩方のおかげです」


「そう、ならよかった」


そう言えば、佐藤先輩はにこりと笑うと、
遠くの伊月先輩を見ながら応えた。


「にしても柊がああいう事するの
珍しくて、ちょっと驚いたよ」


「ああいう事…」


というと、私を他校の人から助けて
くれた事だろうか。


…助けてくれたって言い方は多分
伊月先輩は嫌なんだろうな。


なんて事を思うと、佐藤先輩は
再び目線を私に戻した。


「柊が行かなきゃ俺が行こうかと
思ったよ」


「あはは、ありがとうございます」


佐藤先輩だったらすごい能天気に
笑いながら登場して来るんだろうな。


「まあ、目立つと女の子はあんな目にも合うから…伊織ちゃんは大変だね」


「……」


自分はそんなにも評判が悪いのだろうか……。


佐藤先輩のナチュラルな攻撃が
心に突き刺さる。