でも、嘘をつかれる理由も無ければ
本当の事を知る理由もない。


だから私は「なんですかそれ」と
適当に相槌を打った。


「雨寺はこれからどうする?」


「そう…ですね、部活だけ出るって
いうのは気が引けます」


「だよな 」


と、お互い同意見だったために、
伊月先輩は帰ろうと私に言った。


それに私は頷けば、ここで解散する
事になった。


「また学校で」


「はい、また」


───…また、か。


〝また16日、ここで〟


先輩の言葉を探りフラッシュバックさせたせいか、昔の事まで掘り返し思い出してしまった。


私は首を左右に振って、紛らわせると、
背を向けお互い経路を進んだ。


「またね、先輩」


そう1人呟きながら───。