お兄ちゃんの部屋は意外ととっても落ち着いた雰囲気。

「おいしくできたか不安だけど…食べて!」

「心愛のつくったもんは何でもうまいから。さんきゅーな。」
笑顔でそういった。
かわいい笑顔。その笑顔は私だけに見せて欲しいな…。

そう思いながら、おいしそうに食べるお兄ちゃんを ドキドキしながら見ていた。

「ん。すんげぇー上手いな。」

「心愛もあーん。」
あーん。って恥ずかしい。

「あーん。」
私もケーキを口に入れた。
……うん!おいしい!

「ぷっ…心愛。髪にチョコの粉ついてる」
「え!嘘!とってーとってー!」
お兄ちゃんが私の方に手を伸ばしてくる。
私の髪に優しく触れる大きな手。
それだけで顔が熱くなってしまった。
お兄ちゃんが不思議そうに私をみつめる。