私は自然と笑顔になりながら、スマホを耳にあてた。

「もしもし?お兄ちゃん?」

「心愛…いまどこにいんの?」
愛しい人の声が聞こえる。
「いまでたとこ!」
「悪いんだけど、早く来て?女が話しかけてうざい…。」

ため息つくお兄ちゃんの声。
私はその言葉を聞いて胸がズキズキした。
女の子がお兄ちゃんに話しかけてなんて…

「そんなの嫌! 早く行くから待っててね!」
「……あぁ」
ん?なんか嬉しそうな声に変わった…よね?