組員達と組長が、タイミング良く来てくれた。
「皆、後片付けを」
組員達「ハッ!」
と、作業に取り掛かった組員達。
そして、
組長「有栖」
「組長」
組長「良くやった」
「はい、ありがとうございます」
すると、
雪「あれ?神塚の組長さん?」
と、雪が近付いてきた。
えっ?
すると、
組長モードから秀吉モードに変わって、
秀吉「はい。雪君はどうしてここに?」
と言ったのだ。
雪「えっと、暴走族の方で問題が起きて」
秀吉「ほほぅ。ですが、お父様がご心配されてましたよ。現状では、いくら総長と言えど、
外出はお控えを。特に、側近を着けていないときは」
雪「でも、総長として今回は外せなかったんだ」
秀吉「そうですか」
と、何やら会話をしている。
雅「雪、誰ですか?」
楓「どこかの組の人?」
と、雅は心咲を抱えながら来た。
雪「あっ、話してなかったね。僕、今組とかそういう組織に狙われてるらしくて、最近神塚組の
組長さんが家に来て父さんと話してるんだ」
雅「って、何故言わなかったんですか!」
楓「そうだよ!」
………仲間意識の強いこと。
ま、私も組員が何か言わなかったらこんな感じだと思うけど。
でも、黒薔薇のこんな環境なら心咲は大丈夫かな。
と、
秀吉「まぁまぁ。君達は、雪君のお仲間かな?」
雅「はい。美島雅と言います」
楓「僕は村上楓だよ」
秀吉「そうですか。有栖、おいで」
ん?
と思いながらも、お祖父ちゃんの隣に行く。
すると、
何?この違和感。
いや、違和感では無い?
胸騒ぎ?みたいな嫌な感じがする。
と、
ドアの外から拳銃でこちらを狙う人影。
方向的に言うと、雪か雅は必ず撃たれる!
って、撃った!
「ちょっと失礼」
と言い、組長から拳銃を奪い、雪達の前に立って
パンっ
と撃つ。
人影が撃った弾は、私の撃った弾に当たって阻止完了。
で、急いで人影に向かって
パンっ
と弾を撃つ。
すると、
男「いって!」
バタッ
と、男が倒れた音がした。
組員がそこへ向かうと、拳銃を所持した男が、腕を拳銃の弾で掠められて気絶していたという。
その処理も組員に任せ、組長に拳銃を返す。
と、
雪「スゴい」
雅「ですね」
楓「人間業?」
と言った3人。
すると、
組長「失礼ですが、これから神塚と古宮で大事な話を神塚の方でするので」
と言い、私、組長、雪を乗せて古宮家へ向かう車。
車は飛ばしていたため、ものの数分で古宮に来れた。
車を降り、雪に付いて屋敷に入る。
しばらく歩き、ある一室に入る。
そこには、豪華と言うよりもシンプルな空間があった。
そして、その中のソファーに座る茶髪黒目の男性。
すると、
組長「聖君、もう具体的に2人にも話そう」
と組長が言うと、ソファーに座っている男性が「そうですね」と言った。
どうやら、この男性が聖と言うらしい。
………今更だが、古宮は一体どんな家系なのだろう。
確か、世界トップの財閥だったと思うのだが。
と、
聖「どうぞお掛けになって。雪はこっちに」
雪「うん」
組長「では」
と言う感じで、向い合わせのソファーに座り、神塚と古宮に別れて話をすることとなった。
と言って、私は何の話をするかも知らされていないため、さっきから無言なのだが。
すると、
聖「まず、自己紹介をしようかな。私は、ここ世界No.1古宮財閥の現社長の、古宮聖。宜しく」
「はい」
雪「僕は古宮の跡取りの、小見山雪。宜しく」
「はい」
組長「私は、世界No.1神塚組組長、神塚秀吉といいます。有栖」
ハッ!
「神塚の若頭の、神塚有栖といいます」
と自己紹介を終わらせ、本題に。
すると、
雪「あの、有栖、さん」
「はい?」
さん?
何故さん付け。
と思っていると、
雪「髪と目の色と服がちょっと違うけど、心咲と一緒に来た子だよね?」
えっ、あっ、そうか。
確かに、パーカーを心咲に着せたし、スカートは上げて短くしたし、ウィッグとカラコンは取ったから
全然違うんだ。
「はい。私は心咲の親友で、先程も会いましたよ」
雪「そっか」
聖「知り合いかい?」
雪「心咲の親友」
聖「あー」
と、私を見ている聖さんに、
組長「聖君、話をしても?」
と言うと「あっ、はい」と言い、話が始まった。
秀吉「まず、何から話そうかな。私達はこの件以前からの友人だったんだ。で、最近身の回りで視線を
感じる。と言われたから調べ始めたんだ」
えっ、それだけ。
秀吉「始めは組員を潜入させた。すると、確かに殺気を感じると言ったから調べてたんだが」
??
秀吉「最近、柴木が動き出してるだろう?」
雪「柴木って、今日」
「心咲を拐った連中です」
秀吉「その事を聞き、柴木を疑う事にした。何せ、他の組を調べさせても、なにもかも動いていない
ようだからね。………雪君関係は」
「そうですか」
柴木が、雪を。
秀吉「正確な理由は分からないが、仮説はいくらでも立てられる。まぁ、今は言わないけどね」
………。
雪「僕は、どうしたら良いの?」
聖「そうだねー」
と、何か悩んでるような言い方だった。
すると、
秀吉「私的には、有栖と四六時中一緒に生活して欲しいよ」
えっ?
雪「えっ、何で」
秀吉「雪君は、確かに全国のトップには居る。でも、有栖は世界No.1の組の中で1番強いし、雪君も
見ただろ?有栖の早打ちに、柴木の連中から心咲ちゃんを助けたのを」
雪「はい」
秀吉「護衛としては、これ以上心強いのは居ないと思うよ」
………何故そんな爽やかに笑うのだろう。
雪「………」
聖「雪、僕もそうして欲しい」
えっ。
私の意見は?
………聞くわけ無いか。
雪「どっちでも良い」
どっちでも良いって。
聖「おぉ、では秀吉さん」
秀吉「はい」
と言うと、私に向き直り、
組長「有栖、良いね」
と言った。
「御意」
すると、
秀吉「では、私は帰ります。有栖をお願いします」
と言い、スゴい速さで出ていったお祖父ちゃん。
………。