「帰ってきたなー。久しぶりだわ」


「うん、あたしも」



約束の年末。
大型連休がとれた浩ちゃんと地元の駅に降り立った。



「来てみたらそんなかからないのにな。東京から」


「そうだね。新幹線ですぐなのになかなか帰ってこないもんだよね」



あたし達の地元は東京から新幹線で90分程の場所にある。
だから、帰ってこようと思えばすぐに帰れるところだけど、実家に帰れないのもあってあれから1度も帰ってはいなかった。



「たまには帰って来たかったよな。俺が帰れなくさせたんだよな」


「そんな、浩ちゃんのせいなんかじゃないよ」



たしかに、浩ちゃんとの思い出が多すぎるここには立ち寄れていなかったけど。
どうしても会いたいって思ってしまうから。

でも、それはあたしの勝手。
あたしが自分でこの手を一度離したんだから。