今はまだいいけど、絶対にそんな日がくる。
でも、夢は応援したいっていう複雑な気持ちでいっぱいだった。



「よく、諦めずに毎日声をかけてくれたよね」


「だって絶対付き合いたいって思ったから」



毎日、カフェに通いつめていた大ちゃんは店のみんなの中でも有名人だった。

「そろそろ付き合ってあげたらいいのに」ってよくほかの店員に言われてた。



「ふふ。一年半も諦めないでくれてありがとう」



連絡先も教えない、デートの誘いも断る。
そんなあたしのことを一年半も思ってくれて。
大ちゃんの一途な姿に最後は、思わず「うん」って返事しちゃったんだけど。

でも、それでよかったなって思ってる。
付き合ってからも大ちゃんはあたしのことを大切にしてくれてるから。



「そうだ」



思い出したように、起き上がって、大ちゃんは自分のカバンに手をかける。