『俺、愛ちゃんに一目惚れしたんだけど。どうやったら俺と付き合ってくれる?』



出会って一週間後には、あたしのこと愛ちゃんって呼んでいたね。
それから、毎日のように「好きだよ」って言葉を絶えなくくれた。

あたしは、どうしても前の彼氏のことを忘れられなくて。
大ちゃんの手をとる自信はなかった。

大ちゃんの職業を知ってからは、特に。
前に付き合っていた人も大ちゃんと同じく俳優をしていて。
高校生からの付き合いで一緒に東京に出てきて、同棲をしていた。

でも、だんだんと彼に仕事が入ってくるようになって、あたしが寝た頃に帰ってくるようになって。
あたしが起きた頃には寝ていて。

だから、何日も会話をしないなんてよくあることだった。

そうして、あたしは彼と一緒いることに疲れてしまったから。
だから、大ちゃんもいつかそうなってしまう。