「鋭いなぁ、もう」



小杉くんと働いて結構経つけど、本当に彼は鋭いといつも思う。



「大輔のことだから絶対に白崎さんと付き合ってたなんて知ったら落ち込むと思ったんだよね」


「うん……」



チラッ様子を伺うと、大物俳優軍団に囲まれて笑っている大ちゃんが見える。

笑顔に元気がないってことくらい、ずっと見ているからわかる。

だからって、浩ちゃんとつきあっていた事実は変わらないし、どうすることもできないんだけど。



「あいつ、落ち込むとわかりやすいように空元気になるから。ちょっと気をつけてやって」


「うん、わかった」



あたしがここに来るべきではなかったのだろうか。
もしかしたら、浩ちゃんがいるかもしれないなんて、この前から分かっていたはず。
それなのに、来たのはその危険を犯してでも浩ちゃんに会いたかったから。