「そういえば、田城さん。今日は白崎さんと一緒じゃないんすか?」



大ちゃんの出した名前にドキリと胸が騒ぐ。



「今日はデートらしいよ。デート」


「あー、あの子とか」



〝デート〟その単語に、心が正直に落ち込む。
あたしには、大ちゃんがいる。
だから、今日会えなくてもいいはずなのに。

心は正直だから、会いたいって思ってしまう。



「白崎さん、彼女いるんだ」



自分でこんなことを聞いても意味がないのに。
ショックを受けるってわかってるのに。



「いや。彼女はいないよ。ね、田城さん」


「そうだね。アイツは彼女は作らない主義だからなぁ」


「もったいないですよねー。あんなにカッコイイのに」



彼女ないない。
でも、デートをする相手はいる。