「あれですか?記憶がなくてもやっぱり愛ちゃんのことは手元に置いときたい派ですか?そんな調子のいい」



フッと1度笑ってから冷たく言い放つ。



「わかんねーよ。ついだよ、つい」


「少し情がわいたとかそういうやつですかね?」


「……知らねー。もういいから行けよ。引き止めて悪かったな」



浩ちゃんがベッドから体を起こしてそばにある車椅子を引き寄せる。



「白崎さん、気づいてます?ずっと手が震えてるって」


「……は?」



大ちゃんの言葉は、予想していなかった言葉なのだろう。
怪訝な顔で自分の手をみつめる。



「どんだけ白崎さんが自分の台本通りに演じても、同じ演技してる俺のことは騙せませんからね……?」


「……大輔、お前」



目を丸くして、大ちゃんのことを見つめる。