「愛ちゃんと白崎さんは本当に付き合ってたって言ってるじゃん!」



バンッと浩ちゃんのベッドに手をつく。



「しょーがねーじゃん。覚えてないのにそれを信じろって言われても無理な話だし、好きでもねぇのに付き合ってたって言われても実感わかねーよ。俺はずっと京香のことすきだった記憶しかないし」


「なんで京香さん……」



地元でのやり取りを知らない大ちゃんが首を傾げる。



「あ、お前知らねぇか。俺京香が見舞いにきて、京香のこと好きだったの思い出したんだよ」


「……っ、そんなバカな!」



大ちゃんの顔が歪む。



「しゃーねーじゃん。そう思ったんだから、事実はどうであれ」



そのまんま、布団を頭まで被る。



「記憶があるとかないとかじゃねーよ!逃げてんじゃねーよ、自分の気持ちから!」



大ちゃんが言葉を荒らげて、かぶった布団を剥ぐ。