「そのことをアイツが思い出さねぇはずはないんだよ」



どこか悔しそうな顔をする凛月くん。



「凛月くん……自分の事のように悔しがってくれてありがとう」


「だって、浩一と愛莉ちゃん、お互いが想いあってるの分かってたから俺は愛莉ちゃんを諦められたんだよ」


「……え?」



凛月くんの言葉の意味に勘違いしそうになって途中でやめる。

そんなはずはない。
だって、いつだってあたしたちのことを見守って来てくれた人だ。



「勘違い、とかじゃないからな?」


「……っ」



いつの間にかあたしの考えは分かりやすくなっていたのだろうか。
見透かされてしまって恥ずかしくなる。



「イチャイチャするならほかに行ってやってくれる?」



ガラッとドアがあいたと思ったら、車椅子で浩ちゃんが出てくる。