「ありがたいことだよね」



当たり前のように感じてはダメだって思ってる。
人の気持ちなんて、移ろいやすいから。



「大輔は本当に愛莉ちゃんが好きだよね。俺、はじめてみたよ。あんなに誰かに執着してる大輔」


「なんだろうね。でも、嬉しいよ」



小杉くんは、大ちゃんと地元が一緒で。
大ちゃんがこのカフェに来るようになったのも小杉くんが働いているからだった。



「アイツは俺に感謝したほうがいいな。俺がここで働いてなかったら出会ってなかったわけだし」


「ふふ、そうだね」


「俺も早くバイト辞めれるようにならないとなぁー」



天井を見上げて、伸びをする。



「応援、してるよ」


「サンキュ」



小杉くんもまた、芸能界を夢見てるうちの一人。

それなりにドラマや映画に出てはいるけど、脇役が多いのでバイトをしながら続けている。