「大ちゃん、もう1回」



彼に手を伸ばして、彼を求める。



「珍しい。愛ちゃんから求めるなんて」



大ちゃんが驚いた顔をする。

それもそうだ。
いままで1度だって自分から誘ったことなんてなかった。

今日はどうしても、大ちゃんに溺れたかった。
湧き出した感情を大ちゃんに戻したくて。



「まってね、これは大事だから」



ベッドの上に置いた台本を大切そうにもって、机の上へと移す。



「大ちゃん、早く」



早く、大ちゃんに溺れたかった。



「今日の愛ちゃん、積極的だなぁ」


「こんなあたしは嫌い?」


「ううん。好き」



あたしの唇に自分の唇を落として、またあたしにたくさん大ちゃんを刻んでくれる。

あたしの中に残ったしこりをとかしてくれる。
あたしは、大ちゃんが大好きだ。