本当はすぐに電話をしたかったけど、最初は家族以外はいれなくて、ほかの人の面会がOKになってから電話をくれたみたい。



「どうしてなんだろう……」



やっと、気持ちを伝えあったのに。
昨日、あんなにふたり、好きだと言いあったのに。
言葉が足りなかったんだろうか。
言えなくなるなら、もっと言えばよかった。
聞けなくなるなら、もっと聞けばよかった。

いまさら、思っても仕方の無いことばかり、考えてしまう。



「愛ちゃん、泣かないでよ」



いつの間にか泣いていたらしく、大ちゃんの腕の中に引っ張られる。



「あれ、いつの間に……」


「我慢しなくていいよ。泣きなよ、泣きたいときは」



背中をトントンとさすってくれる大ちゃん。



「どうして、こんなことになったんだろう……」