「ごめんなさい。知らないですけど…先生なんだろうなって思って。」


「…あ、そうだよな。ごめんな。」

また悲しそうな顔…

どうしてこんな顔するんだろう?


「先生…?」

「ん?」

優しい表情が私の胸にしっかりと焼きついて離れない。

こんな感情初めてで。

その日から私は先生の事が頭から離れなくなった。


2年になって先生のクラスになれた私は毎日幸せを噛み締めている。

でもあの時は、メガネもしてなかったし、髪もボサボサじゃなかったし…

あの時の夏目先生と、今の夏目先生…ちょっと違う気がするけど。


それでも私は、心を持って行かれてる…

簡単に離れることなんてできない。