「だって、怜苑は彼女にしたい子の前では、ワザと甘いもの食べてギャップ萌えを狙うんです!」
「ギャップ萌え?」
不思議そうな顔で杏奈の顔を見る。
「えーと、普段とは全く違う所を見せてそのギャップにキュンとさせるんです」
「するのか?」
「女の子は結構しますね」
「俺は・・逆に思っていたのと違うと言われて、離れて行ったな」
「そうなんですか!? 勿体無い事をしますね」
カツ丼を食べ終わり、凱のパフェと交換する。
「勿体無い?」
「そうですよ!凱みたいにカッコよくて、仕事も出来る一見完璧な男性が、実は甘いものが好きなんて、凄く素敵です。そんな魅力に気付かないなんて、ほんと勿体無いです」
興奮気味に話す杏奈に、驚き、戸惑う凱の姿を可愛いと思ってしまう。
「そう思ってくれると嬉しいな」
『自分に言われてる訳じゃないのに、ドキドキするなんて浮かれすぎ』
少しはにかんだように笑う顔に胸がキュンとしてしまう。