黙々と食べる凱の姿を見るともなしに見ていたら、また凱がこちらを見た。
「あまりジロジロ見られると、食べ辛い」
「! あ、すみません。」
そう言いながらクスクスと笑ってしまったので、凱の雰囲気が変わった。
「やっぱり似合わないと思っているんだろ?」
少しムッとしている事が分かり、慌てて言い訳を始める。
「あ、いえ、ちょっと思い出し笑いをしてしまって。すみません」
「思い出し笑い?」
「えぇ、怜苑が・・あ、怜苑は兄なんですが、兄も甘いものが大好きで、良く一緒に食べに行ってたんです」
「お兄さんが居るのか?」
「はい。甘いもの食べてる姿を見られるのが恥ずかしいって理由なんですけど、見た目が童顔で全然違和感無いから気にする事無いのにって思って」
「お兄さんの気持ち、理解出来るな」
パフェを食べ終わり、器をテーブルの真ん中に移動させながらボソリと呟いた。
「凱とは違いますよ」
その言葉に凱の動きが止まる。